一筆奏上
サァサァ、サァサァ!
ここに出づるは社会人の敵たるや憂鬱なる月曜日。
人間誰しも此の怨敵から逃げることなどできようか、いわんや、出来るわけもなく。
屈強なる企業戦士が望み続けて幾星霜、彼らが通った道は観るも無残な死屍累々。昭和を超えて、平成をJUMPし、令和に至りてもはや誰も月曜日に挑む者はいなくなったと言う話は皆さんご存知の通りであろう。
しかし我らが宿敵を倒すこと叶わずともかわすことは造作なく。必勝にして秘策を本日、アラサー毒女は繰り出したり。
つまり大好きな友人との夜ご飯である。
Twitterで知り合ってもう三年目になるだろうか、
もはや日常の一部に溶け込んだ愛しのゆいちゃんとの久々の逢瀬であったわけである。
リア友とTwitterの友達と、此境とはなんたるか?野暮なことは言いますまい。だってここに確かな友情があるのだから。
LINEなど三日に一度返せば御の字というソーシャル怠惰ネットワークを意のままに闊歩する私にめげずに連絡をくれ、甲斐甲斐しく声をかけてくれる貴重な友達なのだ。
さらに言えば誕生日が近いということで少し早いがプレゼントを持参した。
付き合いも指を折って数えられる年数になると大凡の好みも把握済み、今年は絶対外さない自信があった逸品を用意。そして何故か貢いでくれる彼女に対して普段口にしないありったけの感謝を込めてお菓子の箱まで用意して!
こりやぁ喜ぶわいなとウキウキで出かけた。
晩御飯はダイエッターとして小さな社内で名を馳せる私のワガママを聞いてもらってあっさり低カロリー飯を。心苦しくあったがアフタヌーンティー帰りのゆいちゃんも腹を肉ダルマにしていたようなので罪悪感が和らいだ。
ナイスフードファイト。
席に着いた途端、先制お菓子攻撃を喰らう。
男でもないが毎年バレンタインのチョコを貰ってしまって恐縮の限り。ある日目が覚めて私のあそこに男の勲章が生えることがあったら真っ先に嫁に迎えいれようと思う。
間髪入れずの攻勢に怯みながらも、こちらも虎の子誕生日プレゼントを召喚。
ATK2800でダイレクトアタックだ!
喜んでくれたかどうかはゆいちゃんと神のみぞ知る、というところだろう。
プレゼントもさる事ながら一番、一番想いを込めたのは手紙である。アラサー毒女、数々の世の中の恨みをタイピングしてきたが筆を持つと一転素直な少女に戻るのだ。普段言えないことや感謝の気持ちを丁寧に一文字一文字、彼女の顔を思い浮かべて一筆奏上。
なんと渾身の4枚パツパツに認めた。
ステファンにファンレターを送った以来の長さである。どうぞゆいちゃん、噛み締めて読んでおくれ。
(泣くことがあれば念のため私に連絡ください。いい事したなと悦に浸ります。)
正直何を話したのかはほとんど覚えていないが
居心地が良く、あっという間に時間が過ぎた事だけは覚えている。
今日もありがとう、憂鬱な月曜日が晴れやかに終わった。貴女のおかげです。